今回はベルギー、シントトロイデンを訪れた時の報告したいと思います!
今回なんと、クラブのCFO(最高財務責任者)を務めていらっしゃる飯塚晃央さんにお話を伺う時間を設けていただけました
そこで得た情報も交えつつ、日本企業の運営するシントトロイデンというクラブについて見聞したことをまとめていきたいと思います
そして最後には飯塚さんとお話しさせてもらった中で、自分自身がア式蹴球部について考えさせられるきっかけとなった提言をいただいたことについて書いています、読んでもらえると幸いです!
DMMによる買収の秘密
最初はこのテーマから
「なんで日本企業がサッカーの本場ヨーロッパでチームを経営してるの?」
という素朴な疑問
もっとも、この疑問の答えに強く心を動かされ、興味を惹かれたからこそシントトロイデンを訪れることにしたわけだったのですが
DMMが経営権を取得したのは今から2年前ですが、その初めの動機としては”日本サッカーを強くしたい”という熱い想いがあったそうです
もう少し掘り下げると、
“日本の若い才能の挑戦をサポートし、日本サッカーへの貢献、還元”
これがこのチームのコンセプトでした
欧州でプレーすることを志す選手にとってファーストステップとなる存在
更には選手のみならず、指導者など現場スタッフ、フロントでチームを運営するビジネスパーソンにとっても欧州サッカー界で戦うための舞台を用意することがこのチームの目指すものだったそうです
そしてDMMで事業として立ち上げられ、実際にチーム探しが始まり交渉の末シントトロイデンというチームを所有するに至ったそうです
シントトロイデンを選んだのにはベルギーという国の特徴に秘密があったそうです。その中から以下2点ピックアップしてみました
・国内リーグに外国人枠がない
このため日本人選手の登録も容易だそうです。ちなみに現在ベルギー国内リーグのチームに在籍する日本人選手は12人もいるそうです。皆さんは何人の選手の名前をあげられますか??
・他のサッカー大国との近接性
ベルギーという国はサッカー大国の集まる西欧の中央に位置するため、そうした大国のスカウトの目にもとまりやすいという特徴があります
実際去年在籍していた冨安選手はボローニャへ、遠藤選手はシュツットガルトへ、といったように着実にこのチームの理念である”ステップアップ”を成功させています
余談ですが、ベルギーのチームでは移籍金による収入が鍵になるそうです。簡単にいうと、”選手を安く買って育てて高く売る”ことです
冨安選手のボローニャへの移籍金は10億円超、アビスパ福岡からシントトロイデンへ移籍した際の額と比較すると大幅な利益が出てることが見込まれます
選手のステップアップというコンセプトのみならず、経営としてもDMMは順調に成果を出しているように思えます
大興奮のホームゲーム観戦
シントトロイデンには9/14の昼過ぎに到着しました。この日は夜にWaasland-Sportkring-Beverenとのリーグ戦があったのでスタジアムへ足を運びました
スタジアムは町の中心の広場から歩いて10分ほどにあるのですが、その外観がこちら
一見スタジアムに見えないこちらの建物こそがシントトロイデンのホームStayen、ホテルや様々な商業施設と一体化しており試合のない日も稼働できるようになっているようです
あまりにもスタジアム感がないため一度通り過ぎてしまいましたが、その後戻って中に入るとしっかりスタンドがありました
驚いたのはグラウンドが人工芝だったこと。ヨーロッパに人工芝のグラウンドがあることは想像していませんでしたが、規則的には問題ないとのこと
ヨーロッパの一部リーグでは数少ない、唯一かもしれない人工芝のグラウンドも見どころの一つかもしれないです
キックオフ前には珍しい光景が
この大勢の人たちはシントトロイデンの下部組織の選手たちだそうです
全年代の選手がこうしてトップチームの選手と同じグラウンドに立てることはとても貴重な経験になるだろうな、と感じました
それと同時にこの試みにはこの育成組織の選手たちと保護者をスタジアムに連れてくるという意図もあったようで、試合の集客向上のために色々と試みていることがわかりました
こうした育成組織との連携強化もDMMが経営に乗り出してから進められているとのことです
試合はシュミットダニエル選手がスタメン出場し、相手チーム含め全4人の日本人選手が登録された試合でした
欧州サッカー観戦がこれで二回目になる自分はそのスタジアムの独特の雰囲気に包まれ、なんとも言えない喜びを感じてました。と同時にこの試合に4人もの日本人選手が関わっていることに不思議な感覚を覚えました
シュミットダニエル選手の活躍でピンチを何度も防ぐも、相手に先制点を許してしまい追う展開に。攻め続けるもなかなか点を奪えず苦しい時間が続き、手痛い敗戦か、、、
と思った後半アディショナルタイム4分、劇的同点弾が飛び出し試合終了。この時のスタジアムの盛り上がりは格別でした!
CFO飯塚さんとの貴重な時間
試合の翌日、飯塚さんにお時間を頂きシモン・ミニョレの家族が経営するというカフェを案内してもらい、シントトロイデンのことから飯塚さんのこれまでのキャリアのお話を聞かせてもらえました
このとき、たまたま街中を歩いているシュミットダニエル選手に遭遇、人生で初めてA代表の選手を目撃して感動しました、、、
写真をお願いしたら快く受け入れてくださいました
それにしても大きい、、196cmあるそうです
話を戻すと、もともと楽天で勤めていた飯塚さんはヴィッセル神戸に派遣され経理を担当なさっていたことがあったそうです
その時の飯塚さんの仕事ぶりと生活スタイルを聞かせてもらえましたが、その内容に驚愕しました
多岐にわたる頭を使うビジネス的な仕事から肉体労働まで、とにかく取り扱う業務の幅が広く、その量も膨大だったようで、残業代も出ないなか、睡眠時間を削る日々を過ごしてたそうです
という話を聞いて、自分のカンボジアでの経験を思い出させられました
夏にカンボジアのプロチームにインターンさせてもらっていた時に、華やかなイメージを持っていたサッカークラブでの仕事が地味であることを感じていました
それはひとえにカンボジアという、サッカーのリーグの歴史も浅い国で、出来て間もないチームだったからだろうと思い込んでいました
が、今回飯塚さんのお話を聞いてJリーグもあまり変わらないんだな、というかむしろJリーグの方が過酷な労働環境に置かれているというような印象を受けました(数年前の話なので今はどうかわかりません)
“スポーツ界の人材不足”や、“やりがい搾取”といったワードはネットの中の情報として知っていましたが、生の経験の話を聞けたためより身近に感じられました
神戸でのシーズン後飯塚さんご自身は、もう一度勉強し直したいと感じたため楽天に戻り経験を積み、数年後シントトロイデンで勤めるに至ったそうです
もともと飯塚さんはサッカーを仕事にすることは考えていなかったそうです
ただ、
”目の前のことを全力でやる”
ということの大切さを強調していました
神戸での日々を大変だったと振り返る一方、やれることを、改善できることを精一杯やろうとした結果本当に多くのことを学べた、と語っていました
そして今、シントトロイデンでも同様に目の前のことに尽力しているとのことです
冒頭に述べた日本向けのコンセプトもありますが、前提として大事なのはシントトロイデンという町のこのチームを良くすること
外国企業である日本企業として経営権を獲得したからこそ、住民からの見る目は厳しく、チームを強化することが強く求められます
負けた時にはCFOである飯塚さんにもFacebookなどSNSで批判のメッセージが寄せられることもあるそうです(実はぼくが飯塚さんに最初にコンタクトを取ったのもSNSからでした。地元サポや世界一周中の大学生からもDMが届くとは大変ですね、、)
そうしたプレッシャーや言葉や文化の壁は感じている一方で、日本人として培ってきた仕事の能力は欧州でも通用することを感じているようです
シントトロイデンの目標はプレーオフ進出圏内の6位
1年目の今年はとにかくやれることをやって問題把握をし、2年目となる来シーズンにどれだけ改善できるかが、個人的に勝負の年となると語っていました
そして更にその先には、神戸時代に感じたJリーグの問題点を改善すること、”適切な人材が適切な役職で適切な待遇を受けられるようになる”ということを軸に、サッカーの枠も飛び越えて日本社会に対して抱いている危機感を解消することも見据えてベルギーの地で奮闘しているそうです
個人的にとても刺激を受けた飯塚さんとの時間でした。もっと広くに飯塚さんの経験や考えが届くことを切に願います
ご自身もSNSなどで発信する必要性を感じてきたと語っていました。Twitterはこちらです
ドイツからヒッチハイクでベルギーにきて、試合を観戦し飯塚さんに案内してもらう、振り返るととても濃密な2日間でした
シントトロイデンは日本サッカー界をヨーロッパで先頭に立って引っ張っていく存在であることを感じました
ヨーロッパクラブを所有する日本企業、という存在にどれだけワクワクさせられることか
よりチームが発展し、注目を集めることを願います
そしてこれが一つのロールモデルとなりシントトロイデンに続いて新たにヨーロッパのチームを所有する日本企業が出てくる、なんてことを妄想するとワクワクします
飯塚さんからの提言
飯塚さんとのお話の終盤、この旅でこれまでの自分の世界を飛び出したために、1人の人間として知らないことや力不足を感じる場面が多いことを打ち明けさせてもらいました
これに対して、飯塚さんは
“目の前のことを全力でやる”
ことでどんどんやれることが増えていったというご自身の経験から、
「大学在学中にはア式蹴球部を良くするためにやれることをやってみたらいいと思う」
という提言をいただきました
あまり持ったことのない視点だったので、新たな視点、そしてわかりやすい目標を提言してもらえてありがたい限りでした
とは言ってもその方法も難しく、ましてや今はア式から離れている身なので何もすることができないと思っていたところ
ア式のLINEで
こうした情報が流れてきました
ちょうど良いタイミングだったのでこれについて考えてみることにしました
が、今回はここまでで!👋
飯塚さん、暖かく迎えてくださり本当にありがとうございました!